The Rules of Manner of Writing

● 記事を書くときの注意事項

(和英文共通)

*先ず記事の「見出し」を考える

 自分が書こうとするテーマを決めたら、それについて何を読者に伝えるのかを整理して考える。伝えたい内容がメッセージであり、そこから見出しが定まる。

 メッセージは簡潔に。記事の書き出しから、こまかな要素をすべて詰め込もうとしない。記事の最初の部分をリード(lead)と呼ぶ。この部分に労力の半分を使うくらいのつもりで執筆する。

*書き始めたら

 事実の確認に細心の注意を払う。事実関係に誤りがないか、一人合点や勘違いがないか、記事の前後に食い違い(矛盾)がないか十分確かめる。

 内容の重複を避ける。同じことを繰り返すと記事がくどくなる。くどい記事は読者を退屈にさせる。

*主観的な記述をしない

 いわゆる「論説」(一般紙の社説にあたる)などでは、主観的な意見、主張は許される。だが、一般的な記事では個人的な意見、自己主張は極力避けること。したがって、一人称(私、われわれ)は使わない。意見、主張を記事に入れたければ、第三者に語らせる。

*「名数」のチェック

 「名数」とは「固有名詞」と「数字」を指す。一般メディア業界で、記事の訂正が最も多いのは「名数」である(平均すると全体の60%前後)。人名(組織名)、数字に誤りがないよう、特段の注意を払う。短い記事に固有名詞、数字の間違いが二つ含まれていたら、読者は記事全体の信ぴょう性を疑う。

*ニュース性

 一般的に、記事には「ニュースの要素」が求められる。読者の大半がすでに承知している内容を多く含む記事は興味をひかない。ヘラルドの記事は日刊新聞のようにニュース主体ではないが、それでも読者にあまり知られていない要素をなるべく多く入れるよう心がける。

*読者は誰か?

 ヘラルドは中央大学の学生有志が発行する「ジャーナル」だから、まず第一に念頭に置くべき読者は中大、他大学の学生、学校関係者と考えるのが常識的だろう。そのほかに、英語でも発信しているのだから、英語を理解する同年代の読者がいる可能性がある。読者層を意識することは、何を書くかテーマを絞る際に大事な要素の一つになる。

 

(英文記事について)

*英文を書く

 「良い英文を書くにはどうすればいいか?」 よく聞かれる質問だが、簡潔な答えなどない。英語はコミュニケーションのtoolだから、そのtoolをより上手に使えるようにするしかない。英語を最低6年間学びながらも、それをtoolとして使いこなせないとき、どうすればいいのだろうか。まず「真似」から再スタートすることを勧める。英字紙や通信社の記事を読み、応用できる文章(表現)をみつけたら、ためらわずに真似する。幼児が言葉を覚えるとき、周囲の人たちが話す言葉の真似から始まることを改めて想い起そう。実際に英文を書くときは、上記の注意点を共通事項として念頭に置く。

*守るべきルール

 どこの新聞社、通信社にも守るべき事項をまとめた「ルール」集がある。たいていの場合、この「ルールブック」(英語ではStyle Book)は100ページ以上に及ぶ。ヘラルドにはルールブックがないため、各自が自己流のルールで書いているのが現状である。ヘラルド自体のルールを定めるのが理想だが、簡単な作業ではないため実現は不可能に近いだろう。諸君が書いた記事を1年間チェックして気づいた事項を以下にまとめてみた。最低限の共通ルールとして守ってほしい。

  ++(いわゆる英語、米語)

 ヘラルドは米語を使用する。colour, favour, modernise などのイギリス式綴りは使わない。

  ++(文章をタイプするとき)

 *見出し、本文とも左端に揃えて打つ

 *本文は各パラグラフの冒頭にスペースを2回打つ

  (例)

Jellyfish Revives Aquarium in Yamagata

  On April 18 this year, 300 million yen worth of bonds issued by Tsuruoka City...... 

 *見出し、本文とも同じフォント、ポイント(活字の種類、大きさ)を使う(見出しだけフォントを変えたり大きな活字を使っているケースが多くみられるが、これは止めること。記者が書く記事は「素材」にすぎない。見出しを大きな活字にするか、位置を中央に動かすかなどは、編集長が最終原稿をアップロードするときに調整する。

 *記事、見出しとも「半角英数」だけでタイプする。文中に「全角英数」を混入させない。

  (例)There are three reasons: (1)..., (2)....and (3)...

     を There are three reasons: (1)。。。、(2)。。。と

     しない。(この方式だと、行間が広がる点に注目せよ)

 *フォーマット

  長文の記事に見られるが、画面上で左右2ページに分けない。

   (例)ここでは具体例を表示できないが、最近の例では「Garnet Girls」の記事。このフォーマットだとチェック作業がしにくくなるので、ぜひ守ってほしい。

 *記事の左右を揃える。

   (例)

   (正しいフォーマット)

Japanese Businesses Challenge “Halal” Market

The “Islamic market” is one of topics often taken up in the media these days. Hakumon Herald takes a look at efforts being made by Japanese businesses to penetrate this fast growing “halal” market. At present, about 1.6 billion Muslims live in the world. The U.S. Pew Research Center estimates the Muslim population in 2030 at 2.2 billion, accounting for 26.4% of the world population. This suggests that the halal market will keep expanding throughout the world in the future.

 

  (避けるべきフォーマット)

 

Japanese Businesses Challenge “Halal” Market

The “Islamic market” is one of topics often taken up in the media these days. Hakumon Herald takes a look at efforts being made by Japanese businesses to penetrate this fast growing “halal” market. At present, about 1.6 billion Muslims live in the world. The U.S. Pew Research Center estimates the Muslim population in 2030 at 2.2 billion, accounting for 26.4% of the world population. This suggests that the halal market will keep expanding throughout the world in the future.

 

++固有名詞、数字

  「名数」について和英共通項で述べたこと以外に英文では以下のルールを守ること。

 (固有名詞)

  *人名、組織名は原則としてフルネームを使う。人名は最初に触れるときは first name を省かないこと。2度目の記述以降は family nameだけでよい。

  *人名については「肩書き」も正確に。人名と肩書きの書き方は以下

   を参照のこと。

   Shinzo Abe, prime minister of Japan, (prime minister は小文字)

      Japanese Prime Minister Shinzo Abe(すべて大文字)

   Tadahiko Fukuhara, president and chancellor of Chuo

      University

      President and Chancellor Tadahiko Fukuhara

      Kazuyuki Nagai, former president and chancellor of Chuo 

      University,

      Suzan M. Landau, a doctor of philosophy at the University of    

             California, Berkeley,  

          *敬称

    Mr., Mrs., Miss, Ms., Prof., Dr.などの敬称は原則として使わない。

    人名には最初に触れるとき肩書きをつけたり、どういう人物かの簡単な説明をする。二度目以降の記述では敬称を付けずにfamily name だけ。

    (例)

    Ms. Yuuka Uesugi, a Law Faculty second grader, (この場合のMs.は女子学生であることを一目で示すための例外として認める)

    2度目以降の記述では、単に Uesugi said...とする。

    Kazuyuki Nagai, former president and chancellor of Chuo 

        University,

        2度目以降は単に Nagai said...

           *会社などの組織名

    Kewpie Corp. , Ajinomoto Co. (正式にはCorporation, Co.,Ltd.だが、Corp., Co.を使い、Ltd.は省いてよい。

    説明をつけるときは、人名の肩書きをつけるときと同じに考えればよい。

     (例)

    Major Japanese food manufacturer Ajinomoto Co.

        Ajinomoto Co., a major Japanese food producer,

        上の記述には不定冠詞がつかず、下の記述には不定冠詞がついている点に注意)

   (数字)

   *普通の数字

    1から9までは one, two...nineとspell outする。10以上は数         字を使う。大きな数字は3ケタごとにコンマを入れる。(英語に        は日本語で使う10万を表す単語がないので百万以下の数は数字        で表示する。百万以上はmillion, billion, trillionを使う)

      (例)123万は 1.23 million  24億5千万は 2.45

                  billion

         このルールは順位を表す数字にも適用する。first, 

         second...10th...100th (1st, 2ndとしない)

 

    例外

    (1)西暦年、電話番号、郵便番号(2013年を2,013としない)

    (2)単位を伴う数字は9以下でも数字のまま

      (例)$2,23, ¥5, 9 ft (feet), 2 m (meters), 3.5 tons 

                  など

  ++引用について

    *記事には人物が述べた「引用」(quote)がつきものである。とりわけ引用が一つもないインタビュー記事は「欠陥商品」とさえいえる。

    *「引用」は和文と英文とではルールの厳しさが明らかに異なる。簡単にいえば、和文では比較的ゆるやかだが、英文では本人が実際に話した言葉以外は認められないほどルールが厳格である。 

    *便宜上、引用する人物を英語の native speaker と、そうでない場合

     に分けて考える。

     Native speakerの引用は忠実に。例えば、英国人や米国人の話した内容が和訳されている場合、その和訳をベースに英訳するのは絶対に避けなければならない。どうしても原語が見つからないときは、間接話法を用いる。

     Native speakerでない場合(たとえば原語が日本語、中国語、フランス語など)、和訳をベースに英訳するのは許される。